記事2026/08/12

GTDの用語を自分語に言い換えてみる

 昨日の記事(GTDのフローチャートを自分で作ってみる)の続き。
 前回はGTDのワークフローの図を自分に合う形で作ってみた。今度は言葉を自分に合わせていくことにしよう。

 ひとつひとつ文で書いていくと冗長になってしまうし、一気に表にしてしまおう。どーん。

元の言葉 自分語 その心は
収集/把握 捕集 散らばっているのをとらえあつめるから
処理/見極め 変換 然るべき形を見出すことだから
整理 配置 あるべき場所に整列させることだから
レビュー/更新 整備 正常に運転させるための必須の手入れだから
実行 執行 KJ法の影響を受けて
Inbox 目安箱 頭の住人の訴えを集めたものだから
「いつかやる/多分やる」リスト 冷凍庫 思いをそのまま凍結保存するから
「資料」フォルダ (変更なし)
プロジェクトリスト 企図一覧 あくまで自分個人の問題意識を指しているから
プロジェクトの参考情報 備考 参考のための付記を備考というのです
カレンダー 日程 日取りのイメージを強調したい
「連絡待ち」リスト (変更なし)
「次にとるべき行動」リスト 実務リスト 具体的にやる仕事ということなので
チェックリスト 自在リスト いついかなる時にどう作ってもいいことから
備忘録ファイル 遅延式フォルダ 評価または執行を任意にずらす仕組みだから

 前にも何かで言い換えをやった時に書いたけれども、これは概念の意味を変えて再解釈しているのではなく、元の概念がその言葉によって指し示しているものを、私がそのまま認識できるように自分の世界らしい言葉に翻訳しているだけである。GTDそのものの認識は何も変えているつもりはないし、言い換えについて他の誰も納得してくれる必要はない。
 更に奇妙なことをそうと分かっていて言うと、例えば「Inbox」は「目安箱」と言い換えたが、自分の世界でこれは「目安箱」としつつ、その渾名として「Inbox」と呼ぶこともある。例えるなら、帰化して本名を変えても元の渾名で呼ぶこともあるというようなものだ。

 元の言葉について考えていて、納得感が薄いが言い換えも難しいと感じたのが「次にとるべき行動」という表現だ。「次に」という一語が必須でもあり邪魔でもある。「じゃあ次どうするの?」ということを考えて明確にするのがGTDの肝であるから、「次どうする」というニュアンスは削り難い。しかし率直に言って「次にとるべき行動」という表現はまどろっこしい感じがある。
 そもそも「次どうする」という問いが必要になるのは、そう問うことが「具体的な行動」を引き出すために最適だからである。なので、「次どうする」という問いは必要として、行動の方は「具体的である」ということを指していればいいとも言える。リストにあるのは「次にとるべき行動は何か?」という問いを経ているのだから、そこにある行動はすなわち「次にとるべき行動」のひとつであることは自明である。ということにして、「実務リスト」と呼ぶことにした。

 なお最も重要な言い換えは「レビュー/更新」を「整備」としたことである。「レビュー」とか「更新」とか言うと「やる時間がなくて……」と言い出す余地が生まれてしまう。タクシー会社が「忙しくて車の整備をする時間がないんですよ」とか航空会社が「忙しくて機体整備が間に合わなくてね」とか言い出したら誰でもオイオイオイオイと思う。GTDにとってこの工程はそのくらいの「やらなければ破綻する」ものであって、やらなくても済みそうな軽い言葉で表現されるべきではないだろう。
 個人の裁量でやるやらないを選択できてしまう(どこまでも後回しにできてしまう)のが難しいポイントなのは確かだ。しかし、例えば歯医者や眼科、その他持病などの定期検診が後回しになり続ける場合、「そもそも定期検診なんて非現実的だ」とは思わないだろう。定期検診すら行けない仕事の具合がどうかしているのは明らかである。
 とはいえ、どうかしている仕事を続けなくてはならないということもあるので、どう呼び替えようが無理なものは無理ということもある。でもそれはもはやGTDの欠陥ではないと思う。本の文面からしてGTDがどちらかというと偉い人たちを想定して作られたメソッドであろうことを踏まえたとしても、やはりGTDの問題ではない気がする。どうかしている仕事をうまくやりこなすメソッドが存在してしまうとすれば、つまり「その環境に労働者を置いて問題ない」ということになり、この世に存在する全労働者がその判断に巻き込まれるのではなかろうか。「何をどうやっても無理」なラインは存在し、また存在させるべきのように思う。

 さてこれを元にフローチャートも更新しよう。どーん。

言い換えバージョンのフローチャート

 これでGTDはのらてつワールドの一員に加わった。自己満足極まれリ。